グラフィックレコーディングで研究会の報告と議論を可視化
2025年4月28日にオンラインで開催された、社会的連帯経済推進フォーラムの公開研究会
「サードセクターショックと地域のレジリエンス」にて、グラフィックレコーディング(グラレコ)を担当しました。
オンラインセミナーの概要
- 主催:社会的連帯経済推進フォーラム
- 開催日時:2025年4月28日(月)18:00〜20:00
- 開催形式:オンライン(Zoom)
- 報告者:菰田レエ也 氏(鳥取大学地域学部/とっとり協同労働推進ネットワーク副代表/フォーラム副会長)
- テーマ:サードセクターショックと地域のレジリエンス ― 鳥取県からのJA系スーパー全店撤退への応急対応が示唆するもの
2023年度、鳥取県ではAコープやTOSC(トスク)などのJA系スーパーが全てなくなるというニュースが地域を揺るがした。いまも応急対応が続く鳥取県の取り組みは、2023年12月5日のNHKクローズアップ現代でも特集が組まれ、有識者に先進事例とも評された。だが、事態は依然として流動的で、落ち着いた状況把握はまだ難しい現状にある。限界がありながらも、いま見えつつある動きから、今後のサードセクターと地域のレジリエンスを展望する糸口をなんとかしてたぐり寄せてみたい。これが報告の問題意識である。この報告では、2023年度に鳥取県でおきたJA系スーパー全店撤退に対して、どのような応急対応がこれまでされてきたのかを明らかにした上で、今後の関連課題を考察する。
前半:報告 サードセクターショックと地域のレジリエンス ― 鳥取県からのJA系スーパー全店撤退への応急対応が示唆するもの
前半は菰田レエ也 氏からの報告でした。2023年に50年以上営業していたJA系スーパーが全店撤退ということで、NHKクローズアップ現代でも特集されたそうです。

菰田氏はサードセクター研究者として見識や教訓をどう残せるか?という視点でもこの問題に関わったそうです。
報告の中では、以下のような点が共有されました
- 生活環境の悪化リスクについて:JA系スーパーの撤退範囲についての情報共有
- 関金地区の地域住民の考察:買い物弱者・食料品アクセス・フードデザート化など浮上した様々な問題について①調査②協議会アンケートを通じて住民の方の声を拾い、それに伴う将来的な生活リスクや人口流出についても触れています
- 権威切別の応急処置について:行政の危機意識と対応の詳細が時系列で紹介されました。かなりのスピード感だったようですね
- 店舗承継と買い物環境確保対策:関金地区のいくつかの事例が紹介されました
後からの振り返りにご活用いただけるよう、報告内容のポイントをグラレコで簡潔にまとめています✍️
後半:参加者とのディスカッション:感想・質疑応答
後半は参加者の活発なディスカッションの時間となりました。
そもそもの「サードセクターショック」という言葉・位置付け・表現についての議論や、JAについて、生協についての情報交換や意見、視点を変えての考察や、住民自治の大切さ、そして未来に向けての対話の時間となりました。

当日参加していなかった方にもみなさんの意見交換や対話の内容をシェアしやすいように、対話内容を要約してグラレコで簡潔にまとめています✍️
グラフィックレコーディングの制作の流れと効果
本研究会のグラフィックレコーディングは、事前準備(お打ち合わせ、資料共有) → 当日のライブ記録 → チェックと修正 の3段階で進行し、納品しました。
事前にテーマや資料を確認し、構成の下準備を行ったことで、当日は発言の要点を整理しながらリアルタイムで描画。
ディスカッションの部分は、対話中にオンラインで画面上でも描いている途中経過を映し出しながらリアルタイムで記録し、終了後にさらに内容の情報整理を行いました。
完成したデータは、全体図と部分アップの両方を納品し、議論の振り返りや共有にご活用いただきました。
視覚的な情報で参加者同士の理解を深めるだけでなく、イベント後の情報発信や記録の保存にもご活用いただけます。
グラフィックレコーダーとして参加した感想
今回、鳥取県ということで、土地勘や事前知識がないままの参加でした。
しかし報告の中では、地図を用いてエリアや地区の情報、スーパーの位置などを丁寧に共有いただき、県外の私でも状況がすぐに理解できました。
議論の中では、サードセクター以外のスーパーでも同様の事態が起こり得るという意見もあり、徳島県内でも同じような可能性・リスクは十分にあると感じました。
「起きたことは仕方ない、これからどうしていくのか?」という言葉も印象的でした。
報告の中から、地域ごとに一律で対応できるものではないという現実も見えてきます。
突然の出来事から、地域や現場ではまず謝罪から始まり、どう動けばいいのかも分からない中で、それでも「動くしかない」と行動を続けてこられた菰田氏。
最後には「地域の中で活動しながら、外からの視点を持つことの大切さ」にも触れられました。
私自身、この鳥取県での報告をきっかけに、自分の地域について改めて考える時間となりました。
グラフィックレコーディングを通して可視化することは、ただ記録するだけでなく、参加者や閲覧者それぞれの“地域へのまなざし”を広げるきっかけにもなると思っています。
スマホやSNS対応に…分割グラレコも納品
今回、後々スマホやSNSでシェアいただく場合にユーザーの方が読みやすいように、内容ごとに分割版のデータもご用意させていただきました。



USANETでは用途に合わせた記録や納品方法のご提案が可能です。
「こんな風に使いたいんだけど…」「こんなことってできる?」などなど、ぜひお気軽にご相談ください。
USANET合同会社へのグラレコのご依頼について
USANET合同会社では、今回のようなオンライン・対面両対応のグラフィックレコーディングや、イベント趣旨に合わせたオリジナルイラスト制作を承っています。
- 研究会・シンポジウム・ワークショップでのリアルタイム可視化
- 社内研修やプロジェクトの記録
- 広報用のまとめイラスト制作
グラフィックレコーディング・グラレコ・イラストレポート・図解・イラスト制作のご依頼はこちらから