414カードってなに?
「414カード」っていう、ちょっと不思議な名前のカードがあります。
読み方は、「よいしカード」つまり、「良い死」ってことですね。
”あなたが大切にしたいものはなんですか?”
”「死」を見据えて生きることは「生」を輝かせる”
と書いてあります。
これは、“人生の最期をどう過ごしたいか”や”自分の生き方を考える”をテーマにした
生死観を対話するカードゲームです。
堅苦しく聞こえるかもしれないけれど、カードを通して「自分にとって大事なこと」や「こんなふうに過ごしたい」を言葉にできる、すごくやさしいツールです。
制作元は NPO法人 幸ハウス。
詳細や購入については、以下のリンクから確認できます:
https://sachihouse.org
414カードの遊び方
遊び方はとってもシンプル。47枚のカードを並べて、自分が大切にしたい項目のカードを選びます。
カードの裏には、深掘りの問いもついていて、たとえば“葬儀の準備”というカードなら、裏には「どんな準備が必要だと思いますか?」と書かれています。
自然と考えや対話が深まるようなつくりになっています。
一人でも、複数人でも楽しめるようになっています。詳しいルールや遊び方、注意点などはカードと一緒に入っている説明書をご確認くださいね。
死について考える
今回は、小学生含む家族といっしょにこのカードを使ってみました。
「もし、死が近づいていたとしたら、最後に何を大切にしたい?」という問い。
それぞれの子どもたちの答えは、すごく個性的で、どれも“なるほど”と思わせるものでした。
- 好きなものを食べたい
→ 普段からグルメな子で、食べることに喜びを感じているからだそう。納得。 - 痛みがないこと
→ 「大切な人と過ごす」と迷っていたけれど、
“壮絶な痛みのなかではきっといい時間は過ごせない”と判断して痛みの緩和を選んでいました。 - 葬儀の準備をしておきたい
→ その理由は「家族が困らないようにしておきたいから」。
自分の死後まで思いやれる、すてきな視点だなと思いました。
こうしてひとつずつカードをめくるたびに、“その人らしさ”や“生き方の輪郭”が少しずつ見えてくるようでした。
生について考える
今度は、「死ぬまでの間に、何を大切にしたいか?」というテーマで話しました。
- 大切な人と過ごしたい
- やりたいことを全部やりたい
- 自分が生きた証を残す
など、人生をどう生きるか、自分の価値観に向き合うような対話が生まれました。
死が迫っていることを考えた時とは、また選ぶときの視点が変わりますね。
414カードで生と死について話してみた感想
「死」の話って、なんとなく避けられがちだけど、カードがあるだけで、ずいぶん穏やかに話せると思いました。
たとえば、「生死観について話して」といきなり言われたら、子どもでも大人でも、戸惑ってしまうと思います。
でも、414カードのように“選択肢”として提示されていると、自分の気持ちに近いものを選びながら、自然に話しやすくなる。
それが、“目に見える形である”ということの力だなと思いました。
これは、ワークショップやセミナーの場でも同じで、いきなり「どう思いますか?」と聞かれても、出てこないことってありますよね。
でも「1分考える→1分書いてみる→それから話す」といったステップを入れるだけで、スムーズに、そして安心して言葉が出てきたりする。
視覚的に見える形にする、書いてみる、選択肢がある――そういった「ことばの手前の安心感」は、対話の入り口をひらく上でとても大事なんだなと、改めて感じました。
グラフィックレコーダーとして描く中でも、グラレコで描いて可視化することでもっと対話しやすくなったり、広がるといいなと思っています。
414カードでの対話は、わたしにとっても、相手にとっても、“価値観”をお互いに見せ合うような時間になったなあ、と思います。
話している時間は、おだやかで、あたたかい時間でした。他の家族や大切な人とも使ってみたいカードでした。